昨今、会社への出社を伴わない働き方であるテレワークが注目されています。テレワークと聞くと「自宅にいながらにして働く」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

本社から離れた場所に設置された「サテライトオフィス」も、テレワークの1つとなります。柔軟な労働形態が求められる社会情勢の中で、積極的に導入している企業も多いサテライトオフィスですが、福岡県においても需要増加が予想されます。

本記事では、地方での不動産投資を検討されている人に向けて、「なぜ福岡でサテライトオフィスの需要が高まる可能性があるのか」について解説します。

目次

  1. コロナ禍で地方移住の流れが促進されつつある
  2. 働き方改革でサテライトオフィスのニーズが高まっている
    1. サテライトオフィスのメリット
  3. 福岡でのサテライトオフィスの需要が見込める2つの理由
    1. 1.スタートアップ企業を誘致している
    2. 2.移住支援が手厚い
  4. 2021年には大手銀の行員・OBが1,000人規模で地方に派遣される
  5. 福岡のサテライトオフィス需要に期待

コロナ禍で地方移住の流れが促進されつつある

サテライトオフィスの需要が高まっている背景として、新型コロナウイルスの感染拡大に端を発する社会情勢の変化に伴い、地方移住の流れが促進されているという理由があります。2020年に爆発的に世界中に広まったコロナウイルスは、人々に感染予防対策を施した生活スタイルの必要性を突きつけました。

それを示すように、2020年の地方移住者は前年度に比べて増加傾向にあります。総務省が発表している「住民基本台帳人口移動報告」によると、2019年10月における東京都の転入者は3万593人、転出者は2万7,936人でした。しかし、2020年10月では転入者2万8,193人・転出者3万908人と数値が逆転していることがわかります。

<東京都の転入者、転出者数>

転入者数 転出者数
2019年10月

30,593

27,936

2020年10月

28,193

30,908

参照:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」

東京都から転出する人数が増えているのに対し、地方では転入者数が増えています。2019年において転入超過数がプラスであったのは11都府県だったの対し、2020年では23道府県に増えています。福岡県は、2019年も2020年も転入超過数がプラスになった県のひとつです。

単位:人

2019年に転入超過した都府県 宮城県162
群馬県155
埼玉県1,634
東京都2,657
神奈川県1,359
滋賀県98
大阪府339
福岡県131
宮城県56
鹿児島県49
沖縄県235
2020年に転入超過した道府県 北海道354
青森県91
宮城県85
茨城県291
群馬県203
埼玉県1,719
千葉県873
神奈川県1,241
福井県20
長野県84
滋賀県123
大阪府32
島根県75
岡山県105
山口県58
香川県70
高知県11
福岡県360
佐賀県20
大分県66
宮崎県99
鹿児島県22
沖縄県278
2019年に転入超過した都府県 宮城県162
群馬県155
埼玉県1,634
東京都2,657
神奈川県1,359
滋賀県98
大阪府339
福岡県131
宮城県56
鹿児島県49
沖縄県235
2020年に転入超過した道府県 北海道354
青森県91
宮城県85
茨城県291
群馬県203
埼玉県1,719
千葉県873
神奈川県1,241
福井県20
長野県84
滋賀県123
大阪府32
島根県75
岡山県105
山口県58
香川県70
高知県11
福岡県360
佐賀県20
大分県66
宮崎県99
鹿児島県22
沖縄県278

参照:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」

働き方改革でサテライトオフィスのニーズが高まっている

前述のように、サテライトオフィスは企業が遠隔地に設置する職場のことです。支社・支店・営業所などとの違いは厳密にはありませんが、サテライトオフィスはより社員の働き方に視点を置いたニュアンスを含みます。

サテライトオフィスはそもそも「従業員が通勤しやすい場所で、本社と同じようなパフォーマンスを発揮できる」という目的のもと設置されるケースが多くなっています。そのため通信環境が設備され、小さめのテナントに設けられたサテライトオフィスも多く存在するのです。

サテライトオフィスは、政府が推進している「働き方改革」の方針ともマッチしており、年々注目度が高まっています。政府も、企業のサテライトオフィス導入支援を実施しており、総務省はサテライトオフィス開設を検討している企業と、執務環境・生活環境を提供する準備がある地方公共団体をつなげる「おためしサテライトオフィス」を打ち出しています。

サテライトオフィスのメリット

サテライトオフィスのメリットは、従業員の「通勤時間の削減」「ワークライフバランスの実現」「生産性向上」などです。

それ以外にも、災害時にリスクが分散できるためBCP(事業継続計画)の実現に近づける、高齢化や過疎化に悩んでいる地方に設置すれば地方創生に貢献できるなど、さまざまな恩恵が期待できるでしょう。

異業種の人々と共同で使う「シェア型」のサテライトオフィスの場合、情報交換やコミュニケーションが発生しますので、あなたのビジネスチャンスが生まれる可能性も増大します。場所によっては、ビジネスマン向けのイベントやセミナーも開催されており、そういった催しとセットにすればサテライトオフィスの付加価値もさらに高められるのではないでしょうか。

福岡でのサテライトオフィスの需要が見込める2つの理由

結論から説明すると、福岡県でもサテライトオフィスの需要は十分見込めます。その理由としては「行政はスタートアップ企業の誘致をしている」「移住支援の手厚さ」の2点です。

 

1.スタートアップ企業を誘致している

福岡県福岡市では、国内外の企業誘致や市内創業の事例数が増加しています。その理由は、国に指定されたエリアで新たな規制や制度改革の提案が可能となる「グローバル総業・雇用創出特区」福岡市が指定されたためです。

上記の制度を利用して、福岡市では「閉鎖された小学校の校舎を官民共同のスタートアップ企業支援施設としての再生」「家が指定する産業分野・機能における企業の進出を促進するための立地交付金制度」などが実施されています。

福岡市はそもそも都市機能がコンパクトに集積しており、国内外主要都市へのアクセスも良いことから、進出を検討している企業も多く存在していました。それに加え、行政による企業の誘致政策が積極的に行われ、新たに福岡に拠点を設置する企業が今後ますます増えていくでしょう。

2.移住支援が手厚い

福岡県では、企業の誘致政策だけでなく、東京から働き手を招き入れるための移住支援金制度も設けられています。この支援金制度の対象者は、東京23区から福岡県内市町へ移住し、なおかつ新規就業・社会的事業分野で起業した人となります。

移住支援金額については、単身での移住の場合を60万円、世帯での移住の場合は100万円の金額が支給されます。この移住支援制度に関しては、福岡市だけでなく北九州市・久留米市をはじめとする、福岡県内の市町村への移住者が利用可能です。

東京からの移住支援制度がいつまで続くかについては現状では不明瞭ですが、福岡県としては東京からの労働層を招き入れることに関しては積極的であり、今後さらに別の施策が実施される可能性も十分にあるのではないでしょうか。

2021年には大手銀の行員・OBが1,000人規模で地方に派遣される

2020年12月に発表された情報によると、政府は大手銀行の人材を地方の中小企業に派遣し、経営強化につなげる制度を設けることも検討しています。地域経済活性化支援機構を介して登録者のリストを作り、コロナ禍で苦境に立たされている中小企業に対し、事業再生ノウハウを持つ人材の派遣を予定しています。関連事業費として約30億円の予算が計上されており、派遣する人材は地方銀行が作成したリストから融資先にふさわしい人物を紹介することになります。

前述のように、福岡県では企業や人材の誘致をもとから行なっていますので、この大手銀行人材の派遣が追い風となり、さらに福岡県内企業の事業が活性化する可能性があります。それに伴い、福岡におけるサテライトオフィスの需要も、今後ますます高まる可能性が考えられます。

福岡のサテライトオフィス需要に期待

福岡では積極的に県外からの働き手の流入を図っており、創業や移住に関する支援制度もしているのが特徴です。コロナ禍に伴う情勢不安によって、地方移住やテレワークに対する関心はますます高まっています。

福岡で不動産投資を検討されている人は、企業向けのサテライトオフィス用物件の購入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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